2023年4月27日
先日、「ヒゲの校長」という映画を見た。
主人公の「ヒゲの校長」とは、大阪市立聾唖学校校長 故高橋潔氏。
大正~昭和時代にかけて日本の多くのろう学校では手話の使用を禁止されていた。
聞こえない子どもが通うのにもかかわらず。
なぜか・・・聞こえない子どもでも訓練をすれば聞こえる子ども同様に
話せるようになると考えられ、そのためには「口話法」の習得が必須であり
手話は不要、いや邪魔なものとまでされたのだ。
*口話法:相手の口の形を読み取り、また自分も発声をして音声言語で意思伝達を図るもの。
それに異論を唱えたのが高橋潔校長である。
手話が必要な子は手話で、口話が必要な子は口話で、
また手話と口話の併用もいいだろうと、
子どもたちがそれぞれに合った方法で学ぶこと『適性教育』の必要性を訴えたのだ。
それからおよそ100年経ち、まだまだ・・・不十分ではあるが、
聴覚特別支援学校(ろう学校)ではようやく手話で学べる環境が少しずつ整いつつある。
さて当然のことだが、この適性教育というものは人数が多いと実現が難しくなってしまう。
集団(学校)で学ぶことにこんなに苦労している子が多いのかと、
この仕事をして初めて気づく。
理解力の速さもそうだが、生徒一人一人の性格が違うので、
必ず基本問題をきちんと理解してからでないと進めない子もいれば、
逆に応用問題にしか興味のない子もいる。
集中できる時間も様々。2時間ひたすら同じ教科の勉強をする子もいれば、
20分おきに教科も変える子もいる。
どちらの方法でも勉強したことが充実していれば問題ない。
最終的には志望校への進学というゴールを目指すのに
変にプレッシャーを与えたり、脅しをかけたりせず
できるだけ生徒の意思を尊重しながら支えていきたいと考えている。
またずっと塾に通わず勉強してきて、高校受験が近づくにつれ
「大丈夫かな・・」と不安を覚えて中3の途中から通う子もいる。
どんな子でもいつからでも、私は出会えることを楽しみにしています(^^♪